2006年12月05日
「使い捨てデザイナー」から「パートナー」へ
とある会社の社長さんから二度目のデザインのご依頼をいただき、打ち合わせに伺った時のことです。
仕事の詳細を説明された後、おもむろに社長はおっしゃいました。
「こうなりたい、という目標があるか?」
私はこのシンプルな質問に、ハッとしました。
私が言いよどんでいると、そのまま社長は続けられました。
「プロ意識の問題だ。アルバイトに毛が生えたくらいの感覚とちがうか?」
「・・・・・・」
何も答えられなかったのは、恥ずかしながらその通りだったからなんですよね。
「デザインで役に立ちたい」という想いはベースにありましたが、いざフリーになってそこからの目標はというと…
当時の私は、生活していけるだけのお金が入ってくればOK、という感覚だったように思います。
「自分の値段をきちんと考えた方がいい。安いから選ばれるデザイナーになりたいのか?
例えば同じ50万円であっても、世の中には「高いな~」としぶしぶ払う人間もいれば「ありがとう!」と喜んで払う人間もいる。
喜んでお金を払ってもらえるデザイナーになりたくないか」
それから社長は、仕事のこと、友人のこと、社会のことなど様々な話を聞かせてくださり、最後に私の顔をじっとみつめて、こうおっしゃいました。
「初めアンタが営業に来たとき、ちょうど知人がお店を立ち上げるタイミングだったんだ。正直ダメなら使い捨て、くらいの気持ちでロゴを依頼した。でも知人があのロゴをすごく気に入ってくれて…」
「使い捨てデザイナー」ではなく「パートナー」として仕事を続けるために今回のお話があったんだ、と私はようやく気が付きました。
この社長の言葉によって私は、仕事をする上での「プロ意識」について考え始めたのです。