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メインでないもの

 

先日、知人のジャズピアニストの方と、お茶をしながらいろんな話をしたのですが、その中で彼がこんなことを言っていました。

「レストランやカフェでピアノを弾くとき、一番気をつけているのは音量です。
ピアノの音はバイオリンなどの弦楽器に比べると少しとがっています。

メインのお料理があり、いらしたお客さんの会話があり、窓から見える風景があり・・・
それらの邪魔にならない程度でBGMになりきる。
でもお客さんが帰られる時に、何か心地良いものが残っている。そのくらいがちょうどいいんです。」

音楽は人の営みのほんの片隅にあるもの。
そう意識して、メインでないものになりきる事が出来るのは、さすがプロ!ですね。

もちろんこの方、ライブの時には思いっきり “HOT & COOL” な表現者になられますよ。
だからこそ、TPOに応じてこんな配慮をされていることにハッとさせられるのです。

商業デザインもおんなじ。
細やかに気を配って、メインを活かす働きをしなければ。
ヒト・コト・モノ、周りの色んな声を聴きながら。