ブログ

デザインの必要性

デザイナーとして独立する前、私は10年近く看板製作会社に勤めていました。
看板業の現場で学んだのは「商業デザイン」

誘導・販促・ターゲットの嗜好などの商業的な狙いをふまえ「なぜここに、このデザインが必要なのか」という、「デザインの必要性」 を考える場だったような気がします。

新しく出来る1件の居酒屋さんの看板を考えるとき、店舗ロゴは、「玄関上に大きな木製看板」なのか、「入口横に小さな行灯+のれんにロゴ」なのかは、その居酒屋さんがターゲットとする客層や立地条件によって定まります。

サイズにおいても、壁面の有効面に対してW600ならいい感じだけどW550だと小さくて収まりが悪い、W650になると大きすぎて少し下品 などのサジ加減があります。
単に「バックライトの銘板がカッコイイから」とか「大きいサイズの方が目立つから」では、必ずしもお店にとって「効果的な看板」とは言えないものなのです。

デザインの方向性を間違い敷居が高くなりすぎて、ターゲットの客層の嗜好とかけ離れてしまうこと、看板のロゴやお店全体の色彩、照明などによって無意識に入店を拒否させてしまうこともあります。

その逆もまたしかり。
いいお店なのに、ふさわしくないデザインによって実際の価値よりも安い印象を与えてしまい適正な金額設定を「高いなぁ。」と思わせてしまうことも。

無意識を操作する「デザインのチカラ」を考えることで、必然的にデザインコンセプトやロジック(理論的な部分)が生まれるんじゃないかな。

使い方を間違えず、人に必要とされるデザインを提供できるよう日々精進!ですね。