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ちょこっとだけ居た漫画業界のこと

中学校3年生で投稿した漫画が審査員特別賞を受賞し、その後数年間のマンガ修業を経てプロデビュー。
デビュー作掲載後、次作の打ち合わせをするも、結局続かなかった中途半端な経歴の私ですが、担当編集者さんに教わった事は今でもよく覚えています。

漫画で一番大切なのは “人間” を描くこと。特に少年漫画では “ヒーロー” を描くこと。
現実はもちろん、異世界の設定であればなおのこと、人間(キャラクター)がしっかり描けていないとダメ。

単に物語を作るだけじゃなくて、物語の中でヒーローを描ききる。
「絵がうまい」のと「惚れるかっこよさが描ける」とは別物なのだとしみじみ感じました。

また、魅力あるヒーローの対極には、リアリティのある悪役がいないといけないもので。

ある時、電話にて

◆担当さん:「○○さん(←私の名前)、殺したくなるほど憎いヤツっている?」
◇私:「い、いません。。。」
◆担当さん:「やっぱり。○○さんの書くキャラはほんわかしてて、悪役にリアリティがない。
悪役が悪いから、主人公が正義になるんだ。殺したくなるほど憎いヤツ、、、ボクはたくさんいる。」
◇私:「笑。。」

担当さんの言葉は示唆に富んでいて、デザイナーである今、デザインの現場で活かされていることも多いです。

「ストーリーを小さくまとめようとするな。見せ場を先に決めて、そこに向かって話を作れ」
「自分で100笑えて、ようやく読者は10笑ってくれる」
「一般受けするモノでは弱い。一方ですごく嫌われるくらいの個性の強いモノが根強いファンをつくる」
「すでに掲載されているジャンルのもの(市場にあるもの)はいらない」

漫画って深い!