人の心の動きを考えること

商業デザインをする上で “人の心の動き” を意識するのは、とっても大事なことだと感じています。

デザインはなにげないようでいて、強い影響力を持った “道具” です。
商業デザイナーとして一番気を付けなければいけないのは、デザインが店舗・商品そのものの持ち味とは違った方向に “一人歩きしてしまうこと” ではないかな、と思います。

デザインによって、何でもいいイメージに包むことはできるでしょう。
意識的に悪い部分に目を向けさせないようにすることだって。

でもこれって、とっても怖いことですよね。

商業デザインにおいてのデザインは “魅力的に装飾するための道具” ではなく、“そのものの良さを表現するための道具” だと私は思います。
「使い方を間違ってない？」いつも自分に問いかけています。

職業柄、人の心の動きについて考える機会は多いけれど、本当のところ人の心なんてわからないモノです。
天気がよければ普段入らないお店に入ることだってあるし、気分によっていつもは選びそうもない服を買うことも。

そんな、言葉ではナカナカ表現できない気持ちに、少しでも近い場所のデザインができればいいな。
そんなふうに思います。